イベントにかかる費用は、イベントの内容や規模により異なります。本記事ではイベントの開催にかかる費用相場と費用対効果を高めるポイントについて解説。イベント開催にかかった費用を経費として精算する際の勘定科目もまとめました。ぜひ参考にしてください。
イベントの開催にかかる費用は、イベントの内容や規模の大きさによって大きな差があります。イベント別の費用相場としては、講演会やセミナーが80万円程度、企業の周年イベントや記念パーティーで200万円程度、社外向けに行う商品やサービスのPRイベントで350万円程度です。
もちろん同じ内容のイベントだとしても、使える予算は主催者が個人なのか企業なのかで異なるでしょう。アルバイトなどを含めた外部のイベントスタッフを利用せずに、自社の従業員のみで運営する場合は、人件費などのコストを削減できます。そのため、費用相場は参考程度に考えてください。
講演会やセミナーなどの開催にかかる費用は40〜120万円程度で、相場は80万円程度だといわれています。参加者がどれくらいかを想定あるいは設定し、参加者数に見合った会場を用意しなければなりません。規模が大きくなるほど費用もかかるのです。
さらに、知名度や人気の高い有名講師やゲストを招く場合は、報酬(講演料など)が高くなることも覚えておきましょう。
企業の周年イベントや記念パーティーなどにかかる費用は、150〜250万円程度が目安といわれています。そのため、予算は最低でも200万円程度を必要とすると考えておきましょう。
イベントの内容によっては、スライドショーの作成や舞台演出などの運営スタッフが必要です。飲食を手配したい場合はホテル会場を借りることもありますが、ケータリングを利用するという選択肢もあります。
ケータリングとは、イベントに特化して配膳や運営の手伝いをしてくれるサービスのことです。指定した場所に出向き、シェフが調理した料理を提供してくれます。ケータリングを利用すると、自社の会議室で手軽に高級レストランやホテルのような料理を楽しむことが可能です。
商品やサービスなどのPRイベントにかかる費用は、一般的に200〜500万円程度が目安ですが、できるだけ350万円程度を考えておきましょう。PRイベントを安上がりに済ませようとすると、イベント参加者の満足度が低下し、結果的に自社商品やサービスの印象が悪化してしまうなどの悪影響を及ぼす可能性があるためです。
PRイベントには可能な限りお金を掛け、イベントの満足度を向上させる工夫をしたり、宣伝広告費を増やしてみたりして、自社の売上UPにつなげていきましょう。もしも予算を減らすかどうかを検討している場合は、慎重に判断してください。
イベント開催にかかる費用の内訳は、以下のとおりです。
・会場を借りる際にかかる会場費上記の費用はイベントの内容や開催場所、規模によって金額が増減します。MCやゲスト出演などを依頼する場合は、報酬(出演料)が必要になることも忘れないようにしましょう。イベントにかかるコストを抑えるための工夫も紹介するため、参考にしてください。
イベントを開催すると、基本的には会場を借りるための費用が発生します。駅から近いなどの立地状況、施設内の設備、収容人数がどれくらいなのかによって会場費の金額は大きく異なるのです。
イベント開催にかかる費用の中では、大きな割合を占めることが考えられます。会場費を抑えることでコスト削減の効果も分かりやすいため、ぜひ適切な会場を選べるようになりましょう。
最近ではオンラインイベントの開催など、会場に参加者が来ないようなイベントも増えてきました。オンラインイベントでは従来のイベントに比べ、会場費を大きく削減できるため検討してみてください。
イベントを開催するとなると、イベントを進行していくためのスタッフが欠かせません。したがって、イベントスタッフの人件費が発生するのです。
イベントの内容や規模の大きさによっては、自社の従業員のみでイベントを運営できるでしょう。しかし大規模なイベントの場合には、自社の従業員のみでは不足してしまう可能性も考えられます。その場合はアルバイトや他社のスタッフを利用することになり、人件費が沢山かかってしまうことを把握しておきましょう。
イベントを開催する場合には、集客するための宣伝告知が必要です。集客手段としてはWebやメルマガ、SNSなどに広告を出稿する方法があります。これらの広告を出稿する場合は広告費が必要です。
広告費はプラットフォームごとに異なり、広告を表示させる仕組みや設定なども多種多様といえます。そのため、あらかじめ広告宣伝費の予算を検討した上で、費用が予算内におさまるように出稿しましょう。
イベントの企画立案は社内の従業員が担当する場合を除き、外部に依頼すると料金(企画費用)が発生します。
内容が同じようなイベントを定期的に開催する場合は、最初のイベントのみ外部に企画立案を依頼してみると良いかもしれません、それ以降のイベントの企画は、前回の企画内容を参考にしつつ、参加者の要望を反映させることで企画費用を大幅に削減できるでしょう。
イベントではマイクやスピーカーなどの音響機材、照明などを用意する必要があります。機材がイベント会場に備わっている場合は良いですが、会場によっては機材がない場合もあるでしょう。そのような場合は、機材をレンタルまたはリースする費用が発生します。
オンラインイベントにすると、運営が利用する機材だけならば低コストで用意できるでしょう。しかし、大規模なイベントでイベント参加者の椅子やテーブルなども必要な場合は、レンタルやリース費用に加えて会場で準備する手間などもあるのです。
大規模なイベントを開催すると、大勢の参加者でトラブルなども起きるかもしれません。トラブル回避や参加者の誘導をするための案内スタッフや、警備員なども必要になる場合があります。イベント参加者専用に駐車場などを用意する場合は、会場とは別に誘導用などの人員を配置させなければなりません。
アルバイトや警備員を配置するための人件費がかかることも把握しておきましょう。人件費を節約しようとして、案内スタッフや警備員を配置しなかった場合はトラブルが発生する可能性もあります。慎重に検討してください。
イベントを円滑に進行させるためにMCを依頼する場合やゲスト出演者などを招く場合は、報酬を用意する必要があります。報酬の金額は人によって大きく異なるため、事前に見積もりや相談などをしましょう。
ゲスト出演者は、実績や知名度が高くなるほど報酬も高額になります。自分たちが開催するイベントの内容や規模に応じて検討してみてください。
イベントを開催しても費用ばかりが積み重なり、結果的に赤字では意味がありません。しっかりと費用に見合った効果を出すことが求められます。費用対効果を高めるためのポイントは、以下の4つです。
・会場費を安く抑えて借りる上記のポイントをおさえておくことで、より意義のあるイベントを開催できるでしょう。
イベント会場費は収容人数の規模や立地状況、施設内の設備などによって変わります。費用対効果を高めるためには、イベントの収益から各費用を差し引いて残る利益を増やすことが重要です。会場費を安く借りることでより多くの利益を得られるため、会場選びを慎重にしましょう。
難しいかもしれませんが、できるだけ会場費を安くできないかを交渉してみるのもおすすめです。イベント参加者を会場に呼ぶ必要性が低い場合は、オンラインイベントなどに移行することも検討してください。
近年の集客手段として、SNSは欠かせないツールになっています。SNS広告を出稿するのも良いですが、アカウントを作成して発信すれば無料でも宣伝告知が可能です。
発信した投稿に参加者やフォロワーからのリプライがあると、さまざまな反応も確認できます。フォロワーが投稿を共有してくれると、お金をかけなくても大勢に宣伝告知ができるのです。イベントの集客に関しては、以下の記事も参考にしてみてください。
イベント集客の方法やアイデアとは?集客を成功させる5つのコツを解説
イベントの費用対効果を高めるためには、コストを削減するとともに収益をより増やすことも重要です。もしもイベント開催による収益が参加費しかない場合は、グッズや自社商品を販売することによって収益を増やせます。
イベントの内容にもよりますが、タオルや服、ぬいぐるみなどのイベント限定グッズも考えてみるべきです。ほかにもイベント会場周辺の地域にある店と相談し、地元の商品を販売するのも良いかもしれません。収益増加のアイデアを考え、ぜひ実践していきましょう。
イベント開催や展示会の出展をすると、地方公共団体から補助金や助成金を受け取れる場合があります。この補助金や助成金は中小企業を対象としたもので、販売促進を目的とした返済不要のお金です。
例えば、展示会の出展であれば「小規模事業者持続化補助金」が受け取れるため、積極的に申請してみましょう。補助金や助成金の条件、申請手続きの詳細は、地域の地方公共団体に問い合わせてください。
注意点が1点あり、補助金などはイベントや展示会の終了後に振り込まれます。実際にイベントにかかる費用は、自社で負担する必要があることに気をつけましょう。
イベントの開催にかかる費用は、経費精算することが可能です。分かりやすい例を挙げると、集客に使われる広告費や宣伝費などは「広告宣伝費」として計上できます。イベントを運営する上で必要な進行役やアシスタント、誘導スタッフをはじめとするイベントスタッフに支払う報酬などは「人件費」です。さらにイベントスタッフの飲食費用を負担した場合も、人件費として計上できることを覚えておきましょう。
ほかにもイベントの参加者に配布する資料や販促品、講師やゲストを招待するのに必要なギャラは、販売促進費か広告宣伝費で計上することが可能です。
このようにイベントにかかる費用は経費として計上できるため、イベント後に必ず仕訳をしてください。勘定科目には、一度決めると原則として変更してはいけないルールがあります。過去にイベント開催の経験があり、イベントにかかった費用を既に経費精算したことがある場合は、過去に使用していた勘定科目で仕訳しましょう。
イベントを開催すると会場費や人件費、宣伝広告費や機材のレンタル費用などが発生します。これらの費用は、イベントの内容や規模の大きさによって大きく異なるため、自社でイベントを開催する場合はどのくらいになるのかをしっかりと見積もりましょう。
イベントの目的はさまざまですが、自社の商品やサービスを認知してもらうこと、そして売上増加に繋げることが主軸にあるはずです。その目的を達成するために、費用対効果という観点から分析し、改善すべき点を見つけてください。
イベントに関連のある補助金や助成金もあります。資金繰りが難しいという企業や組織でも、補助金などを活用することでイベントを開催しやすくなるでしょう。盛り上がれるイベントを開催し、成長させてみてください。