チケット販売システムとは、これまで台帳やExcelで管理することが主流だったチケット販売管理の煩雑な業務に、システムを活用することで、ミスを防ぎ、販売管理効率を上げ、業務負担を軽減することを目的としています。
チケット販売システムの導入検討するにあたって、まず始めにチケット販売システムとは何か?の整理からみていきましょう。
チケット販売管理のシステムは、大きく分けて「チケット販売」、「票券管理」の2つに分類できます。
イベントを企画してチケットの販売を行います。主な販売方法として以下が挙げられます。
・インターネット販売
・窓口販売(対面、電話、メール、郵送等での購入受付)
・プレイガイド、販売店への委託販売
チケット販売システムは、主に「インターネット販売」を実現することを目的としているものが一般的です。
インターネット販売においては、インターネット上でチケット代金の決済までを行えるようにすることもできます。
票券管理とは、チケットの発券に関わる全般の管理を行います。
主な内容として、複数イベントの登録管理、販売座席や料金の設定、販売方法の振分け(エリア分け)、精算管理などを取り扱います。「1.チケット販売」とも連動して、チケットに関する一連の状況を管理します。
①チケット情報の登録→②チケット販売、状況確認→③イベント当日の入場管理→④精算
システムによっては、会員管理なども行うことができます。
チケット販売システムを導入する主なメリットは以下が挙げられます。
①インターネット販売の実現(販売数増加)
現在インターネットでのチケット販売を行っていなければ、新しい販路を作ることができ、集客UPが期待できます。
②チケット販売におけるインターネット決済の実現
Web決済を取り入れれば、窓口での精算業務負担が軽減されます。
③システム化に伴うチケット販売管理業務の効率化、ヒューマンエラーの低減
システム未導入の場合には、台帳やExcel等を使用してチケット販売状況や座席情報を管理していることが一般的です。
複数のスタッフで管理する場合や問合せ多数の場合は、一元管理の問題や管理の煩雑さが課題として発生しがちです。
システムを導入することで、複数の販売方法であっても販売状況が確認しやすくなり、重複販売を防ぐことができるようになり、複数スタッフでの対応も一元管理で状況把握をしやすくすることができます。
その他にも、システムによっては以下のようなことも実現可能です。
④コロナ禍に応じた間引き席の設定の容易化
コロナ禍によって求められるようになった「間引き席」の設定を行い、席を限定して販売することができます。
⑤電子チケット化によるチケットの受け渡しの手間削減、購入者様の発券手数料負担の軽減、非接触入場の実現
コロナ禍によって必要性が高まっている非接触での入場は、電子チケットの導入により、実現することが可能です。
また、紙チケットをなくすことで、チケットの受け渡し(窓口での受け渡し、郵送)業務を削減できます。
チケット購入者様にとってもコンビニ決済等で必要となる発券手数料の負担をなくすこともできます。
⑥委託販売に頼らない自前でのチケット販売の実現
「①チケット販売」の「インターネット販売」については、プレイガイドに委託することでも実現可能ですが、興行主が自由に販売を行えるよう販売サイトを用意できるチケット販売システムもあります。
その際、イベントについての広告宣伝をどのように行うかが課題となります。より多くの方に告知する為には、インターネット、公式LINEアカウント、Facebook、Twitterなどの各種SNSを活用していく等、検討が必要になります。
システムが提供している画面に従い、イベント内容やチケット種別、販売金額等を登録し、イベント情報をインターネット上に公開してチケット販売を行います。
一般的にはチケット購入の決済もインターネット上で行いますが、窓口での支払等に対応している場合もあります。
購入したチケットについては、イベント内容、座席情報等を購入番号やQRコード化し、メールなどの方法でチケット購入者にお送りします。それらをイベント当日に提示してもらうことで入場が可能になります。
購入番号やQRコード化されている入場時の確認(もぎり)についてもシステム化されていれば、入場状況をリアルタイムに確認することも可能です。(QRコード、購入番号の読み取り等)
票券管理では、チケットの発券管理の為の情報登録や管理を行います。大きく4つの機能に分類できます。
①チケット販売準備
イベント情報の登録を行います。(イベント日程、販売日程、会場、エリア、座席、販売方法、料金 etc チケットにまつわる全ての情報)
②チケット販売
「窓口販売」、「委託販売」、「インターネット販売」等の複数ルートで販売されるチケットの販売状況を確認します。
販売状況をみて、売れていない席を委託販売へ切り替えるなど状況判断を行うこともできます。
③入場管理
イベント当日はチケットのもぎり(確認)を行います。最近ではスマートフォンを活用した電子チケット化も進んでいます。
システムによっては入場状況をリアルタイムに確認することもできます。
入場券が何らかの理由で確認できない場合なども、名前などで購入履歴を確認することが可能です。
④精算
チケットの販売枚数や売上金額を集計します。席種単位、販売方法単位、月次単位など、集計のバリエーションを持っているシステムもあります。
チケット販売システムを使用することで、チケット販売に関する一連の対応における手間とミスを減らし、効率化を図ることができます。
システム導入の検討にあたって、現状の課題に優先順位をつけて整理します。それらの課題について各社が提供しているシステム導入でどれだけ解決するのか、その為の費用はどれだけ必要か、それぞれのバランスを確認し、費用対効果を考えて選定していきます。
以下のような課題に対して、検討しているシステムがどのように対応しているか、改善や軽減度合いはどうか、それに対してどれくらいのコストがかかるかで判断します。
■課題
・インターネット販売を始めて販路を広げたい
・プレイガイド委託に頼らず自分たちでチケット販売を行いたい
・台帳やExcelでの管理での手間を改善したい
<コロナ禍での対応>
・間引き席でのチケット販売
・非接触でのチケット販売・入場管理
・イベントキャンセル時の対応(返金、購入者への通知)
・イベント自粛期間中のシステム利用コスト
■システム導入のコスト
・初期導入費用(必要に応じてカスタマイズ費用)
・月額費用
・チケット販売手数料
その他に、以下が必要な場合もあります。
・解約費用
・既にあるデータを移行したい場合には移行費用
チケット販売システムの主流はクラウドサービスとなってきています。クラウドサービスであれば、システムやデータを管理するサーバーを個別に用意する必要はないため、初期導入費用は抑えることができ、セキュリティ面でのリスクも低減できます。
またチケット販売管理を行うスタッフはインターネットに繋がれば、どこからでも、複数人でも、操作することができ利便性が高まります。
昨今のコロナの影響で、イベント運営で求められる内容も変化してきています。
現状の課題を整理したうえで、各社チケット販売システムを比較し、最適なシステムを見つけることができれば大幅な業務効率改善にも繋がることが期待できます。