訪日外国人観光客数は年々増加しており、2019年には過去最高の3,188万人を記録しました。インバウンド需要を取り込むためには、外国人観光客のニーズを捉えたイベント企画が重要です。
本記事では、インバウンド向けイベントを成功させるポイントについて解説します。外国人観光客の興味・関心を意識し、日本ならではの魅力を感じられるイベント企画のヒントをお伝えしていきます。
インバウンド向けのイベントを企画する際は、外国人の興味と関心を意識することが大切です。多くの外国人が日本の伝統文化に高い関心を持っています。一方で、日本での新しい体験への好奇心も強いのが特徴です。
これらを満たすためには、どんなことを意識すれば良いのか見ていきましょう。
インバウンド向けイベントを企画する際には、日本を訪れる外国人観光客の興味や関心を深く理解しましょう。着物の着付け体験や茶道、書道といった日本ならではの文化的活動に触れることは、彼らにとって非常に魅力的です。
また、最新のテクノロジーを駆使したアート展や音楽フェス、アニメ・マンガイベントなど、日本の現代カルチャーに触れる機会も好まれています。
インバウンド向けイベントを成功させるためには、こうした外国人観光客の求めているものを的確に捉え、それに応えるような企画を立てましょう。
単に日本の文化を紹介するだけでなく、外国人が実際に参加し、体験できるプログラムを用意することで、イベントの満足度を高めることができます。外国人観光客のニーズを意識し、彼らの心に残る思い出づくりをサポートすることが、インバウンド向けイベント成功のカギとなるでしょう。
インバウンド観光客は、日本ならではの体験を求めて訪れます。単なる見学だけでなく、自ら参加して楽しめるイベントが人気を集めています。
実際に参加して楽しめる音楽フェスティバルや、書道・華道体験、忍者体験、武道体験などの体験型イベントがおすすめです。
訪日外国人の興味関心は多岐にわたります。彼らのニーズを的確に捉え、日本の魅力を余すところなく体験できるイベントを企画しましょう。
インバウンド向けのイベントでは、日本の伝統文化に触れられるものや現代的な内容のものが人気です。本項目では、以下の項目に分けて、おすすめのイベントをご紹介します。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
外国人観光客に人気の高い伝統的な祭りや行事には、以下のようなものがあります。
祭り・行事名 |
開催時期 |
特徴 |
三社祭 |
5月 |
江戸三大祭りの一つ。華やかな山車の巡行が見どころ。 |
祇園祭 |
7月 |
京都三大祭りの一つ。風流傘鉾や山鉾巡行が有名。 |
阿波踊り |
8月 |
徳島市で開催。独特のリズムと踊りが魅力。 |
花火大会 |
7~8月 |
全国各地で開催。夏の風物詩として人気。 |
これらの祭りや行事は、日本の伝統文化や歴史を体感できる貴重な機会です。華やかな衣装や装飾、躍動感あふれる踊りや音楽に、外国人観光客は魅了されるでしょう。各地域の特色ある祭りを PRすることで、インバウンド向けイベントとしての集客が期待できます。
外国人観光客の興味を惹きつける現代的なイベントも増えています。
日本のファッションは世界的にも注目を集めており、外国人観光客にとって人気のイベントです。東京のストリートファッションを体験できる「原宿ファッションウィーク」や、伝統的な着物ファッションショーなどが開催されています。
これらのファッションイベントでは、日本の最新トレンドを発信するだけでなく、外国人にも参加しやすいよう英語での案内や通訳サービスが提供されています。また、ファッションショーだけでなく、ポップアップショップやワークショップなども開催され、日本のファッション文化を体験的に学べる機会となっています。
日本では夏を中心に多くの音楽フェスティバルが開催されます。有名アーティストが出演する大規模なロックフェスから、地域色豊かな民族音楽まで、ジャンルは実にさまざまです。屋外のステージで、大自然の中ライブを楽しむスタイルが魅力。会場内にはフードエリアやアクティビティも充実しているため、音楽を通して日本の文化を体験できるのも大きな魅力となっています。
チケット購入時の言語対応や、会場での外国語案内など、インバウンド向けのサービス体制の充実も進んでおり、音楽を通した国際交流の場となっています。
日本のアニメやマンガは世界中で人気を博しており、外国人旅行者の多くがこれらに強い興味を持っています。インバウンド向けのアニメ・マンガイベントは、ファンにとって日本でしか体験できないまたとない機会となるでしょう。
人気作品とのコラボレーションイベントや、声優によるトークショーなどは特に注目を集めます。また、コスプレイベントやグッズの販売会なども外国人ファンを魅了するでしょう。
体験型イベントなら、日本ならでは伝統文化が体験できるものや、産業観光イベントがおすすめです。
インバウンド向けイベントで人気なのが、日本の伝統文化を体験できるプログラムです。
例えば、空手、合気道、弓道などの武道体験、茶道、華道、書道などの伝統文化体験などが挙げられます。これらの体験では、所作作法を通して日本独特の美意識に触れられるでしょう。
外国人観光客のニーズに合わせ、本格的な体験からお手軽な体験まで、多様なメニューを用意するのがおすすめです。また、体験を通して日本文化の奥深さを感じてもらえるよう、文化の背景についても丁寧に説明することが大切です。
外国人観光客の関心を集める産業観光イベントも人気があります。地域の特色ある産業や技術を体験できるプログラムは、日本の文化への理解を深める良い機会となります。例えば、日本酒の蔵見学、伝統工芸品の製作現場見学などが挙げられます。
こうした産業観光イベントでは、単に工程を見学するだけでなく、実際に体験してもらうことが大切です。職人の技を間近で感じることで、日本の「モノづくり」の精神に触れることができるでしょう。
四季折々の自然の変化を楽しめるイベントも人気です。季節ごとの美しさや魅力を伝えられるイベントを企画しましょう。
日本の春と秋を象徴する「花見」や「紅葉狩り」。特に春は、桜の開花に合わせたお花見イベントが各地で開催されています。日本の美しい桜を楽しみながら、屋台グルメやお酒を味わえる体験は外国人観光客にも人気です。
春におすすめのイベント企画については、以下の記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてください。
『春のイベント企画とは?季節感のあるイベントで集客や販促につなげよう』
冬は日本の伝統行事が体験できるイベントが多いです。初詣では神社仏閣への参拝、節分では豆まきなど日本の風習に触れられるイベントが多数開催されています。
初詣と節分は、日本古来の精神性や季節の移ろいを感じられるイベントとして、インバウンド観光客にもおすすめです。
日本の夏の風物詩といえば、夏祭りと盆踊りです。お祭りでは屋台が立ち並び、焼きそばや綿あめなどの屋台グルメを楽しむことができます。
盆踊りは日本の伝統的な踊り。浴衣を着て参加すれば、より一層日本の夏を感じることができるでしょう。外国人観光客にとって、日本の夏祭りや盆踊りは非日常的な体験です。日本文化に触れながら、地元の人々とも交流できる貴重な機会となるでしょう。
インバウンド向けのイベントを成功させるには、外国人参加者への細やかな配慮が欠かせません。
以上のポイントを意識して、インバウンド向けイベントを成功させましょう。
インバウンド向けイベントの企画において、多言語対応は非常に重要です。外国人参加者の母語は多岐にわたるため、英語だけでなく、中国語、韓国語、タイ語など、参加者の国籍に合わせた言語での情報発信が求められます。
多言語対応の具体的な取り組みとしては以下のようなものが挙げられます。
取り組み |
内容 |
ウェブサイト |
イベント公式サイトを多言語化し、各言語で同等の情報を提供する |
案内看板 |
会場内の案内看板やサインを多言語表記にする |
通訳スタッフ |
通訳が可能なスタッフを配置し、参加者のサポートにあたる |
資料の翻訳 |
イベントのパンフレットやマップ、配布資料などを多言語化する |
多言語対応に力を入れることで、外国人参加者にとってのイベントの魅力や満足度が高まり、SNSなどを通じた情報拡散にもつながります。
インバウンド向けイベントを企画する際、日本の伝統や文化について丁寧に説明することが大切です。外国人参加者にとって、日本の風習や習慣は馴染みがないことが多いためです。
例えば、お祭りでの神輿や山車の意味、茶道や華道などの芸道の歴史的背景などをわかりやすく説明することで、イベントをより深く楽しんでもらえるでしょう。
また、日本独特のマナーや慣習についても事前に説明しておくと良いでしょう。例えば、神社でのお参りの作法、お箸の使い方、入浴時のエチケットなど、日本人にとっては当たり前のことでも、外国人にはわかりにくいことがあります。イベントを通して日本文化への理解を深められるよう、丁寧な説明を心がけましょう。
インバウンド向けイベントを企画する際は、参加者の多様なニーズに応えられるよう、アクセシビリティへの配慮が欠かせません。具体的には以下のような点に気をつけましょう。
配慮事項 |
具体例 |
物理的バリアフリー |
車椅子の移動スペース、点字ブロック、多機能トイレの設置 |
情報保障 |
手話通訳、外国語表記、音声ガイド、点字資料の用意 |
補助器具の手配 |
車椅子、ベビーカー、杖などの貸出 |
また、イベントスタッフには、障がい当事者への接し方や支援方法について事前研修を行うことが重要です。
加えて、参加申込フォームでは、参加者の障がいの状況や必要とする配慮をきめ細かく確認し、一人ひとりに合わせた準備を行うことで、外国人にかからわず、誰もが参加しやすいイベントとなるでしょう。アクセシビリティへのきめ細やかな配慮があってこそ、インバウンド向けイベントの成功につながります。
インバウンド向けイベントを成功させるには、外国人参加者の食事や宿泊のサポートも欠かせません。母国とは異なる食習慣や言語環境に戸惑うこともあるでしょう。
そこで、以下のようなサポートを提供することをおすすめします。
サポート内容 |
具体例 |
ハラル、ベジタリアンなど 多様な食事への対応 |
専門店の紹介、食材の事前確認 |
言語サポート |
多言語メニューの用意、通訳スタッフの配置 |
宿泊施設の手配 |
提携ホテルの紹介、予約代行 |
二次交通の案内 |
最寄り駅からの送迎バス、周辺の交通情報の提供 |
特に食事は文化的背景が色濃く反映されるため、参加者の母国の情報をしっかりとリサーチし、配慮することが大切です。 安心して楽しめるイベントとなるよう、きめ細やかなサポート体制を整えましょう。
インバウンド向けイベントを企画する際には、外国人参加者が手ぶらで気軽に参加できるよう配慮することが大切です。具体的には、以下のような工夫が考えられます。
工夫例 |
内容 |
レンタルサービス |
浴衣や法被などの衣装レンタル、日傘や扇子などの小物レンタルを用意する |
荷物預かり |
大きな荷物を預けられるクロークを設置し、身軽に行動できるようにする |
装備の貸出 |
イベント参加に必要な道具や装備を無料または安価で貸し出す |
更衣室の設置 |
着替えができるスペースやロッカーを用意し、気兼ねなく参加できる環境を整える |
参加者特典 |
参加者限定のノベルティグッズを配布し、手ぶらでも楽しい思い出を持ち帰れるようにする |
このように、手ぶら参加を可能にする仕組みを整えることで、言葉の壁や準備の手間を気にせずイベントを楽しんでもらえるはずです。快適な参加環境の提供は、外国人の満足度を高め、イベントの好評価にもつながるでしょう。
インバウンド向けイベントを企画する際は、開催地の気候情報を事前に提供することが大切です。特に日本の四季は外国人にとって馴染みが薄いため、服装の目安や持ち物など丁寧な説明が求められます。
また、梅雨や台風シーズンの対策として、以下のような情報提供も有効でしょう。
開催地の気候に合わせた事前の情報提供は、参加者の安全と快適さにつながります。
インバウンド向けイベントを成功させるためには、外国人観光客の興味関心を捉えた企画と、きめ細やかな配慮が重要です。多言語対応やアクセシビリティへの配慮、食事や宿泊のサポートなど、参加者のニーズに応えられる体制づくりも欠かせません。
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