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コロナ渦における電子チケットの需要

コロナ渦における電子チケットの需要

2020年、新型コロナウイルス感染拡大に伴った緊急事態応宣言の発令がありつつも、現在は少しずつ日常が戻り始めました。 社会の流れが急変する中で、飲食業界や航空業界など、沢山の企業が影響を受けました。イベント業界もその1つです。 しばらくの間は、この状況が続くことが想定されますが、徐々にイベントを再開するところも出てきました。 そうなるとイベント再開への課題は、コロナ禍において”どんな新しい試みができるか”です。 そんな試みの中でも、今回は電子チケットやスマホ決済の重要性についてご紹介していきます。 

 

コロナによるイベント事業の変化

最近のイベント業界では楽曲収入やイベントでのチケット収入、グッズ収入で売上をあげてきた音楽業界、劇場からの収入がメインの演劇業界、利益の大半がスタジアムへの観客動員というスポーツ業界は、人が集まるだけ利益を生むビジネスモデルです。
“3密”回避のために、感染防止対策の観点からイベントは中止や延期になりました。
某調査によると、2021年1月までの1年間にライブ・エンタテインメント業界が受ける損失額は、推計で6900億円、年間市場規模の77%になるといわれています。
現在では、無観客のオンラインイベントを企画する、電子チケットにより入場混雑での”密”を防ぐ、などの施策で収益確保を目指しているようです。  

 

コロナによる電子チケットの需要拡大

有名なスマホ関連調査「MMD研究所」の「新型コロナウイルスによる支払い方法の変化に関する調査」で以下のことが明らかになりました。

①最も使用されている支払方法は依然として現金ではあるが、最近3カ月の消費行動は減少している
②支払方法が2割にあたるスマホ決済系のサービス利用が増えている。

やはり物理的な決済は少しずつ減ってきているようです。

 

電子チケットとは

デジタル化したチケットのことを”電子チケット”と呼びます。詳しくはこちらの記事で紹介しています。 

 

電子チケットの導入で得られる効果

電子チケットの大きなメリットを4つ挙げることができます。

①スムーズな入場
②チケットの紛失防止
③イベント主催の手間が減ること
④接触せずに入場できること、です。

逆に、デメリットでは、スマホを忘れた、電源が入っていないなどで端末自体が使えないということ以外にデメリットはないと思われます。
SDGsの観点などからペーパーレス化が社会的に普及している中、やはりイベント業界にもペーパーレスの波が押し寄せてきていることは間違いありません。
紙媒体で発券するチケットが、将来的にかなり減ると思われます。最終的には紙のチケットは完全になくなってもおかしくないのが実情です。
上記を意識しながら、電子チケットのメリットを細かく考察していきます。

 

①スムーズな入退場

イベントのほとんどは入場する際に事前にチケットを購入してもらい、スタッフにチケットを見せて入ることが多いです。
その際に入場待ちの列ができますが、スタッフはチケットを来場者から受け取って、もぎり作業を黙々とこなします。
電子チケットはこの入場の待ち時間を短縮するだけではなく、チケットもぎりのスタッフの手間軽減を可能にします。
ホールやスタジアムの入場口にQRコードを読み取るリーダーを設置して来場者はスマホをかざすと入場できる、もしくはQRコードリーダー等を使って、来場者のスマホのQRコードを読み取って入場させる。これが電子チケットの仕組みです。
スタッフが1人1人のチケットの情報を確認してもぎりをする必要がなくなるので、入場にかかる時間が大幅に短縮され、入場待ちの列も低減されます。
また、入場時のスタッフ数も必要最低限に抑えられます。

 

②チケットの紛失防止

従来の紙チケットでは、紛失や当日に持ってこなかった来場者が発生することがあります。
イベント会場の入場口で、「チケットは家に忘れたけど入れて欲しい」、「チケットはなくしてしまったけど間違いなく購入したから調べてくれ」といった来場者から声は多く、入場時のトラブルとなっています。
しかしながら、電子チケットではチケットは来場者のスマホの中にあるので、「紛失」「忘れた」はあまり考えられないと言えるでしょう。 

 

③イベント主催の手間が減ること

従来の紙チケットでは、チケット購入者に対してチケットを郵送したり、当日のチケット購入窓口や事前購入できる近隣の店舗など所定の場所まで来場者が足を運んでチケットを購入する必要がありました。
来場者の手間が発生していると言えます。従来のチケットと比較すると、電子チケットなら、購入したチケットを受け取る必要はありません。チケットの受け渡しがより便利になります。
チケット購入画面から決済ページに遷移する、メールアドレス宛てにチケットを送付する、アプリ上でチケットを確認できるなど、仕組みは様々ですが、どの方法もチケット購入から決済、受け渡しが同じスマホ内で完結することで、シームレスに確認できます。チケットが来場者に届くまでの時間や手間、コストが大幅に削減できるのです。
ただし、電子チケットは紙媒体のチケットと違い、物理的にチケットが存在するわけではありません。
なので、スマホの扱いに不慣れな高齢者は購入したチケットを探すのに時間がかかったり、スタッフの手間は発生する可能性はあります。
また、思いのほか簡単に購入できるため、「本当にこれでチケットが買えてるのか」といったような不安があるという声はあるでしょう。

 

④接触せずに入場できること

非接触という言葉も、このコロナ禍の中で頻発したキーワードな気がします。
チケット購入時においては「現金をやりとりして購入することが感染拡大に繋がるのではないか」という声も増えました。
この影響で急速に広まったのは、スマホを使ったキャッシュレス化です。
キャッシュレスな決済方法に利便性を感じた人達は、アフターコロナ(コロナ後の世界)でも継続してスマホ決済を使うだろうというのがおおかたの予想です。
特にコロナ禍においては、来場者が安心して購入できる決済方法を洗濯することが必須となるでしょう。
スマホ決済を導入していれば、導入していないイベントとの差別化が図れ、新たな集客プロモーションとなりえることでしょう。

 

まとめ

新型コロナウイルスの影響でイベント業界に大きな変動があり、チケット販売方法の変化も余儀なくされています。
電子チケットは購入の際の利便性高く、従来よりも時間と労力が減らすことができます。
また手軽さやコロナ禍における安全性も担保できると考えられます。様々な観点から従来の紙媒体チケットよりも優位性が高く、今後のチケットはどんどん電子チケットに変わり、最終的は紙媒体のチケットはなくなる可能性が高いようです。
紙媒体のチケットが残る可能性があるとすれば、「思い出」になることでしょう。
紙は物理的に残るので、参加したコンサートなどのチケットを大切に保管してコレクションしている人もある程度いるかと思われます。
紙媒体には独自の優位性があると思われますが、本来の「入場券」という目的には、電子チケットの方が優秀であるのは間違いありません。
今後の変革を求められているイベント業界は、顧客ファーストを考えて電子チケットの導入を決断していくことでしょう。

 

記事作成者:小蕎 考史
2019年に株式会社インフォメーションクリエーティブに入社。自社製品であるチケット販売サービス「チケット for LINE Hybrid」の営業、顧客導入サポートを担当。
 

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